2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

辻原登の書評集『熱い読書、冷たい読書』(2000、ちくま文庫、2013)に「大谷崎」とあって、「大」がつくのは谷崎だけだ、大トルストイとか大デュマとかいうのは同姓の別人と区別するためだ、とある。谷崎も弟と区別するためなのだが、それは丸谷才一も書い…

『一冊の本』が届くと、後ろの新刊広告から見て行くが、私は金井美恵子先生の随筆へ行くのを遅らせて、楽しみを先にとっておくのである。さて今回は、佐村河内守騒動から、映画『砂の器』のあの音楽へと話が及び、『現代思想』2005年3月の松本清張特集で、小…

珍現象が起きた。『病む女はなぜ村上春樹を読むか』のアマゾンレビューは一つ。それとまったく同文のレビューが「読書メーター」に出現したのである。アマゾンのほうのレビュアー紹介は、 マイヤ 住所: 北海道札幌市 自己紹介: 漢方を生業としているアラフォ…

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20140521 これを書いたあと、李建志君からメールが来た。全文引用しろ、とあるので全文引用する。 小谷野さんへ今日、ブログを読ませていただきました。 一つだけ訂正させて下さい。 「日本文化はみんな朝鮮から来た」と…

大笹吉雄の『日本現代演劇史』の帯には、井上ひさしの推薦文がついている。それは「信じられないような話ではあるが、わたしたちは国民的な演劇をまだ持っていないのである。働きざかりのサラリーマン諸氏がゴルフ・バッグや麻雀のパイを放り出して駆けつけ…

群像新人賞は三年続けて評論の受賞作が出なかったわけで、次回から評論は独立させるという。石原千秋は産経新聞の文芸時評で「言葉もない」とし、「研究論文のようなものが多かった」という選評に対して、「なぜ評論の賞に応募しようとしたのだろう」などと…

著書訂正

『現代文学論争』19p 『新潮』七月号に「批評の哀しさ 江藤淳さんに」→八月号 - 「たしかにケネス・バークがいうように「きょうは雨が降っていない」という現実はないわけで、それは「晴れている」というだけのことです」(井上ひさし『ユートピア探し物語…

関西学院大学の闇

李建志君は、私の後輩である。中央大学を出て東大比較に来た。在日である。ちょうど私が阪大へ赴任する時に修士課程を終えたのだが、私と、つくば国際大学に就職する加藤百合さんの歓送会が平川先生宅であって、その時李君が、「日本の文化なんてのはみんな…

『頭の悪い日本語』で、関西学院大学は関西大学より古いと書いたのに対し、違うという指摘があった。なるほどそうである。ただ関西学院そのものは古いので、関西大学ができても、関西学院と間違われたという論旨自体は変えなくていいけれど、少し修正する必…

武藤康史よどこへ行く

武藤康史が『三田文学』に「『三田文学』の歴史」を連載しているのだが、2000年くらいに始まって現在第53回くらいである。『三田文学』の創刊は明治43年だが、武藤は季刊の『三田文学』で、あたかも一号一号やっていて、そのため13年かかってまだ明治45年の…

河出書房新社が新書を出したようだが、なぜか新書名がない。河出にはkawade夢新書という月に一冊くらい出るのがあるのだがそれとは違う。で、よく見ると「河出書房新社の新書」とある。「河出書房新社新書」では舌をかむ。素直に、昔あったんだから「河出新…

タルコフスキー

昨日はニコニコ動画でタルコフスキーの「ストーカー」を観た。八分割されているので、一ピースが終わるたびに別の仕事をしてしまい、半日がかりになった。当初は、コメント非表示で観ていたのだが、ほどなく気づいてコメント表示にした。何しろ素で観ると退…

上田哲二氏のこと

1998年度、私は一年だけ大阪大学で大学院の授業をもった。助教授になったのは97年だが、それから一年たつと大学院の授業をもつのだ。そして99年には辞めたから一年だけ。 当時、私はまだ演劇研究に意欲をもっていたので、比較演劇というような題目にした。し…

伊藤勝彦という人

伊藤勝彦という哲学者には、教わったことがある。大学一年生の時に非常勤で教えに来ていたので、一回だけ授業に出たが、あまり面白くないので以後出なくなった。博士論文を書いていた時に、参考文献として『愛の思想史』は読んだが、中身は覚えていない。 そ…

佐々木力

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20110809 佐々木力『東京大学学問論』をちらちら読んだ。余計な部分が多い。これは、セクハラで停職処分になった元東大教授・佐々木力が、冤罪を主張した本である。この件については、ウィキペディアで編集合戦になり、つ…

新刊です

頭の悪い日本語 (新潮新書)作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/04/17メディア: 新書この商品を含むブログ (9件) を見る訂正 28p「はじめ棹でそのあと櫓に変わる」が正しい。 33p ルビ「あきたらない」→「あきたりない」 52p「語り者文藝」…

統制

私の本のアマゾンレビューに「言語統制をするつもりか」という一点のレビューがついている。もっともこれは、梅原猛ヨイショ新書を書いたなにがしの本に私が一点レビューをつけたのへの意趣返しである。私がなにがし(名前を忘れた)であったら、そんなこと…

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140427/bks14042709320008-n1.htm まあ、私の名前が新聞に出るだけで珍しいことなので、石原氏はそのためもあってあえて出しているのだろう。昔の新聞だったら、これに私が答えるということもあったのだが、今や文藝にそ…

内山英明と俵万智

写真家の内山英明が65歳で急死した。私は写真のことはろくに知らない。沢渡朔や清岡純子なら知っているといった、『アサヒカメラ』がヌード特集だと買ったりするそういう人間だが、内山英明となると、俵万智との関係で気にならざるを得ない。 俵万智が40歳で…