2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

私小説こそゴシップではないか、丸谷才一

本屋で『文藝別冊 丸谷才一』の、栗原さんの文章を立ち読みした。私の名前も出てくるので栗原氏の友情に涙目になりつつ(嘘)、そこで初めて、河出新装版『エホバの顔を避けて』の解説を松浦寿輝が書いていることを知った。私はこの小説は、中公文庫でだいぶ…

毎週木曜日は、『週刊文春』で書評欄と、宮崎哲弥の「時々砲弾」を読む。今週は新垣隆の手記が載っていたが、新垣は、作曲をやめると言ったら、帰宅すると包丁を持った佐村河内が待っているのではないかと怯えていたそうである。そうか強要されたというのは…

妻が小説を出しましたのでよろしくお願いします。決してゴーストライターによるものではありません。あと私が紹介したとかじゃありませんよ。新潮社は私の小説だって出してくれないんですからねっ。 そういえば昨日朝日新聞に広告が出たのだが、前川裕、萩耿…

「グローヴァル」などと題名に書いてしまった清水義和という人は愛知学院大学教授、東海大学卒、立正大学大学院というあれな学歴の人だが、「日本英語音声学会賞」というのを受賞している。で、この学会がどういう学会かというと、 http://www.cc.kochi-u.ac…

地震の名称

1923年9月1日に起きた大地震は「関東大地震」であって、「関東大震災」は、その被害のことを言う。だから「関東大震災が起き」というのはちとおかしいのである。いつも私は「関東大地震」と書いて校閲からチェックされる。 他の地震でも同じことなのだが、そ…

「ナマケグマ」という熊がいる。発見された時、爪の形がナマケモノに似ていたのでその仲間だと思われて、bear sloth と名づけられ、その後熊の一種だと分かり、sloth bear とされ、そのためナマケグマにされるという理不尽な目にあった。やはりちゃんと別の…

「いい女」の意味

川端康成の『雪国』に、島村が「君はいい女だよ」と言って、駒子が怒る場面がある。これの意味が、初読の高校二年の時に、分からなかった。大学生になって、岩下志麻が駒子をやる映画を観たら、「それ、一年に一回通ってきて会うにはいい女だって意味?」と…

私は2012年1月から『出版ニュース』に「凍雲篩雪」という時事随筆を連載しているのだが、どうも読まれているとは思えない。読んでいる人はいるのだろうが、反響がない。それで古いほうから、適宜ここに移すことにした。題名は、急がされて苦し紛れにつけたも…

中川右介さんのドラえもんの本を読み始めたら、「サイボーグ003」の本名が「フランソワーズ・アルヌール」だと書いてあった。おかしいなと思ってサブカル百科ウィキペディアを見たら、確かにそう書いてある。 だが、「アルヌール・フランソワーズ」のはず…

http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20140213/p3 大変いい曲だと思います。佐村河内(新垣)がこんな曲を作っていたら、まだ良かったのである。だいたいマーラーに似ていると言われるが、マーラーの交響曲というのは、二番以降はメロディーラインがはっきりしな…

「昔は良かった」と「日本はダメ」

大塚ひかりさんの『本当はひどかった昔の日本』が話題になっているようで喜ばしいことである。新潮社のPR誌『波』に稲泉連が書評を書いているのだが、中に、「今の時代がいい、と大塚さんが言いたがっているわけではない」(大意)とあった。いや、言って…

http://news.nifty.com/cs/entame/showbizddetail/gendai-000203453/1.htm こういう見当はずれなことを言う人が出るだろうなと思ったのだが、芸能人の手記をゴーストが書くのは、芸能人としての実績があって、しかし文筆家ではないから。高峰秀子や森繁久弥…

「ラビン」の謎

「一きれのパン」について、光村図書から回答が来たので、そのまま掲載する。訳者の直野敦先生の「ラビン」の部分で 教科書内では「ユダヤ教の僧侶/教師」(=ラビ)と解釈し、 掲載時には以下のように表記しております。・昭和47年度版 表記…「ラビン」 脚…

「黄金の日日」の竹下景子

『黄金の日日』の竹下景子再登場の回(31回「龍虎相撃つ」)を観た。昔観た記憶では、幸四郎の助左と桔梗の竹下が双方からだだだだっと駆けて行って抱き合うのだが、これは記憶違いであった。 第一回で、堺の町を信長に包囲され、今井宗久(丹波哲郎)が信長…

なんリベ左翼だった千葉一幹が、右翼っぽい拓殖大学の教授になった時は驚いたが、大学にはもちろん左翼的大学と右翼的大学がある。 ・左翼的 一橋大学、大阪市立大学、立命館大学 ・右翼的 國學院大學、国士舘大学、拓殖大学、皇學館大學、京都産業大 - コン…

ザ・チェリーズ

おそらく1978年4月だと思うのである。なぜなら私は高校一年で、結婚したいとまで思いつめた竹下景子さんがデビュー曲「結婚してもいいですか」を出した時のことで、NHKの歌番組「花のステージ」に出演して歌ったはずだからである(ウィキペディア調べ。な…