2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ちょっと必要があって、99年のドラマ『パーフェクトラブ』というのを観はじめたのだが、これはつらかった。木村佳乃が目当てだったのだが、主演は福山雅治である。私は『龍馬伝』で初めて、福山というのはこういう人かと思ったくらいだったが、当時佳乃は23…

宮田昇は『図書館へ通う』で、1971年に田中融二の翻訳で出たノルウェーのイェンス・ビョルネボの『リリアン』(三笠書房)が猥褻文書として摘発されたが、翌年同じものが別の訳者によって同じ出版社から出たと書いている。問題のある個所を削除したものとと…

昔キャバレーへ行った時、「あっ、トルストイって聞いたことある。外国の人だよね?」と言ったホステスであるが、村上春樹は? と訊いたら、『ノルウェイの森』を読んでみたけどわけが分からなかった、と言う。で、どんな小説なら好きなのかなと訊いたら、ま…

宮田昇の『図書館に通う』(みすず書房)を読んでいる。宮田昇、あの『未来少年コナン』の原作を訳した内田庶である。『みすず』に連載されたもので、翻訳権エージェントとしての経験からくる思い出話や、公共図書館で百人以上が待っている東野圭吾の推理小…

(活字化のため削除) - ポール・グリモーが世界中でフィルムを回収してまわった「やぶにらみの暴君」がニコニコ動画に上がっていたので観た。「王と鳥」はこれの増補完成版で、ただラストだけが違う。高畑さんは、「やぶ」に出てくるロボットが「王と鳥」に…

新刊です

高畑勲の世界作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2013/03/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る訂正 60p「ザンボットA」→「ザンボット3」 84p「八王子の聖蹟桜ヶ丘」→「八王子のほうの聖蹟桜ヶ丘」 157p「新潟県知事」→「副…

コナン登場人物年齢

未来少年コナン 年表1964年 おじい誕生1968年 ブライアック・ラオ誕生 1993年 ダイス誕生1995年 レプカ誕生1999年 メイザル誕生(ラオ31歳)2000年 モンスリー誕生 2008年 戦争勃発(ラオ40歳、ダイス15歳、レプカ13歳、モンスリー8歳) 2016年 コナン誕生(…

山本芳明『カネと文学』(新潮選書)はどうも変で、これは大正八年から始まると言えるのだが、純文学作家が食えたかどうかという話が延々と続いて、明治から大正期の通俗作家の話が全然出てこない。ようやく昭和に入って、吉屋信子や吉川英治が出てくるのだ…

四方田犬彦の『先生とわたし』は毀誉褒貶だが、私はまあ、由良哲次、君美父子の伝記として見たらいいんではないかと思う。 しかし、事実誤認を指摘されても直さないのはいつものことでこれが困る。由良は学習院大卒、慶大院から東大駒場教授になったが、東大…

消えた学者

『消えたマンガ家』というシリーズものがあった。消えた藝能人とか、「あの人は今」といった企画もある。「消えた学者」については、あまり言われない。 学者は、よく消える。もっとも、大学院修士課程修了とか、博士課程に長くいたけれど、とかいう段階で消…

匿名者に告ぐ。

http://poorplays.seesaa.net/article/361835227.html しつこいね。 「頼朝が義経を許す可能性がゼロ」とはなにゆえか。頼朝追悼の院宣が朝方の陰謀であったなら(というのは実は後白河の陰謀だったのを脚色したわけ)、それで頼朝義経の和解にいくというの…

その昔、中上健次が文藝時評をやって、初めて文藝雑誌を隅から隅まで読んで、あまりにレベルが低いので驚いたというのは有名な話である。柄谷との対談で、だが大江健三郎だけは違った、あれほど勉強している人はほかにいなかった、と言ったのだが、この「勉…

http://www.kyobunsha.com/new.html 牧野十寸穂(ますほ)というのは七十歳くらいの女性である。 しかしこれ、文章が変である。國文學雑誌なだけにまずいのではないか。 「マリヤ・カラス」という表記も必然性が分からないが、 「然として」とか。 「すべて…

訂正追加と愚痴

http://poorplays.seesaa.net/article/361249432.html http://poorplays.seesaa.net/article/361249432.html このサイトを参照して訂正を追加しました。 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20110605 なおそれなりに反論もあって、『義経千本桜』の最後は、…

私と鶴田欣也先生の会話というのは、どうも同じパターンですれ違うことがあった。 帰国後、93年に会った時、「いちばん恐ろしいのは恐怖そのものだ」と鶴田先生は言って、おそらく私が発表したものが批判されても、それを恐れることがいけないといったことを…

吉村公三郎という映画監督がいるが、これは「きみさぶろう」と読むのが正しい。戸籍に読み仮名はないので、こうざぶろうになってしまったが、『『千羽鶴』の映画化を語る座談会』(『婦人倶楽部』1952年12月号)に出た時に「きみさぶろう」とルビが振ってあ…

山本覚馬の二番目の妻

今日の大河ドラマで小田時栄が出てきたが、あれが山本覚馬の後妻になって、徳冨蘆花の恋の相手の久栄を生むことになる。のち明治18年に、覚馬に継嗣がないので養子を迎えることにして会津から男を呼び寄せたが、そのうち時栄が妊娠し、覚馬が覚えがないとい…

お笑いの明暗

牧伸二が自殺した(私が「自死」といういかにも偽善的な言い換えが嫌いなのは言うまでもない)。ポール牧も自殺している。 子供のころ、昼間の「大正テレビ寄席」で毎日曜日に見ていた。というのは父親が見ていたからで、だから印象は良くないのだが、1972年…

私が学生だった頃、東大駒場に池田孝一という英語の先生がいた。別に教わったわけでもなく面識もないのだが、確か90年ころ、突然辞職して、ここにいたのでは研究が出来ないと言ってシカゴ大学へ行ったと聞いた。その後どうしたのかと思って調べたら、日本の…

駅前の本屋へ行ったら、文藝雑誌が出ていたが、『群像』だけなかった。『新潮』を見たら、四方田犬彦の200枚の評論「谷崎潤一郎 映画と性器表象」が載っていたので立ち読みしていて、これは買おうと思い買ってきた。 本筋は谷崎の短篇「人面疽」が、武智鉄二…

門田隆将の裁判

ノンフィクション作家の門田隆将(1958− )が2010年に上梓した『風にそよぐ墓標 父と息子の日航機墜落事故』(集英社)は、六家族を取材して描かれたものだが、そのうち第三章で扱われた池田知加恵(1932?− )から、著作権侵害で民事提訴され、東京地裁は書…

『ウルトラセブン』の最終回で、シューマンのピアノ協奏曲が使われていることはよく知られている。「ファンタスティック・コレクション」で満田かずほは、ラフマニノフのピアノ協奏曲を使うつもりでいて、音楽担当の冬木透に持ってきてもらって聴いたら、旋…