2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

佐川光晴の経歴への加筆([36])をめぐり、佐川当人から不正確であるとの異議申立てを受けた」単なる私の勘違いで、それを「荒らし」扱いするのはどういうことか。

「「文献」の節で自著を自己宣伝した。久米正雄や小沢牧子の記事でも、自著の宣伝をおこなっている」とあるが、久米正雄の伝記は私のものしかなく、仮にほかにあっても、自著を参考文献としてあげたらいかんのか。

「田中貴子_(国文学者)では田中の性生活に関わる記述をおこない([16])、田中当人を名乗るIPユーザーから苦情の申し立てを受けた」とあるが、これは田中が自分で書いたことである。

そもそも人物の経歴の簡単なものに、著作物としての権利は生じない。山田晴通については、単著が一冊もない学者に特筆性がないのは当然のことである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/LTA:AKY#cite_note-1 ここに、私がウィキペディアでおこなった「荒らし」行為なるものの一覧があるのだが、中には変なものがある。

時間をかける。

大岡昇平の『幼年』を読んでいたら(これは面白い)、「糖福米福」というのが見つかった。日本のシンデレラだが、「糖」は「糠」の誤植である。 さて誤植とか間違いがない本を作るのは難しい。しかし、売れて版を重ねれば、その都度直していけるからだいたい…

エリザベス・テイラーが主演してアカデミー賞をとったのに駄作である「バターフィールド8」の原作者はジョン・オハラ(1905-70)である。オハラの作品の邦訳は、田中小実昌が講談社文庫(1977)に訳した『親友(パル)・ジョーイ』(1940)くらいしかない。…

金子武雄という人

数日前から、金子武雄という国文学者の随筆集を読んでいる。『葦笛』と『人生有情』と二冊ある。金子は1906−83、東大教養学部教授、駒澤大学教授、昭和女子大学教授を務めた人で著作も多く、『日本のことわざ』が何度も文庫化されている。 随筆集は、どこか…

越谷市役所で、霊柩車費用の申請をしたら、葬儀社の明細がないというので、次に行った時持っていったら、今度は領収書がないと言う。郵送ではダメか、と言うと、ダメだと言う。それでぽろりと、喪主も市民であることが原則なので、と言ったのである。 しかる…

二週間くらい前の『週刊新潮』の連載で福田和也が、安倍政権になってこれで改憲ができると書いていて、そもそも現憲法は米国が作ったものでと言い、江藤淳が生きていたらと説く。江藤はGHQによる検閲を研究していたが、その際、福田恆存が検閲に協力して…

天下の奇書大賞

2012年の小谷野賞の該当作がいまだ見つからない。ない時は該当作なしにするが、代わりに「天下の奇書」大賞として、古い本で、かつ著者は40年前に死んでいるが、舟越康寿『寂寥 学究・その半生の愛』(文芸社、2003)に授与したい。梗概はアマゾンに書いてお…

真室二郎(1906-57)という作家がいた。 http://homepage1.nifty.com/naokiaward/pkogun/pkogun14MJ.htm 昨年11月に、『真室二郎作品集』上下巻が、真室川町から刊行された。下巻巻末に、川端康成との往復書簡が載っているので購入した。編纂したのは真室川…

アルヴィ宮本なほ子さんと訳したハロルド・ブルームの『影響の不安』(新曜社)の、本文の最後(228p)に、シャンドール・フェレンツィの『タラスサー性器性欲の理論』という書名が出てくる。タラスサはギリシア語で「海」だが、これはクセノポンの『アナバ…

昨日ヤフオクに出ていた川端康成の、養女・政子宛の葉書だが、落札されたのか。 これは偽物である。かなり巧妙ではあるが。 全集に、これとほぼ同一の文面が載っているが、どういうわけか、最後に「かのさんと二人で寂しいでしょうが」のあと「面倒をかけな…

ソロモン・ヴォルコフの『ショスタコーヴィチの証言』という本がある。中公文庫にかつて入っていて、私はこれで読んだがなかなか面白かった。 ところが、これが「偽書」だという。ヴォルコフがショスタコーヴィチに話を聞いて書いたというが、ヴォルコフは数…

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20121130 ここで書いた杉並図書館のかっこ入りふりがな問題は、図書館の意見箱に入れておいたのだが、図書館員から、これは入力ミスで、直しておきますと言われた。私は、いやおそらくほかにもこういうのはあるはずだ、と…

梅原猛には息子と娘がいる。娘ひまりはヴァイオリニストで、梅原ひまりを名のっているが、夫の横内敏人は建築家で、京都造形芸術大学副学長を務め、いま教授。息子は梅原賢一郎という哲学者で、京都造形芸大教授。妻は福井謙一の娘の美也子。梅原は京都造形…

新人とは何か。

『文學界』の「新人小説月評」の欄がリニューアルした。評者はこれまで半年交代だったのが一年交代になり、清水良典と田中弥生がやっているので、もしかすると今後、大物と新人批評家の組み合わせになるのだろうか。 さらに対象作品が拡充された。清水による…

松岡正剛間違いシリーズ千夜千冊 http://1000ya.isis.ne.jp/0855.html 「デイヴィッド・ロレンス」。普通はD・H・ロレンスで、デイヴィッド・ハーバート・ロレンスだが、なんでわざわざデイヴィッドだけにするのか。 「伊藤整が補訳した」伊藤礼の間違いだろ…

ホープのその後

『文藝春秋』に、「日本のホープ」みたいな記事が載っている。芸能、スポーツ、学問など各界の若手のリストである。二十年以上前、『現代』が91年1月、2月に巻頭グラビアでこういうのをやっていたが、50人くらい揃えたのかな。グラビアだから、編集部が勝手…

トゥーランドット

中川右介さんの『未完成』には、『トゥーランドット』の話が出てくる。プッチーニは『トゥーランドット』を完成させずに死に、別の作曲家が残りを完成させたのだが、初演の際にトスカニーニは、プッチーニ作曲の分までで演奏を終えたという話である。 だが、…

ボイスチェンジャー

最近、近所の図書館でよく、不要になった本を放出している。ので、よく拾ってくる。先日は、宮部みゆきの『模倣犯』上巻が出ていたので持ってきた。映画は観たし、さほど期待せずに読み始めたが案外面白かった。だが、視点が犯人側になる第二部へ来ると、が…

浅草歌舞伎に行ってパンフレットを買ったら、矢野誠一が文章を寄せていた。浅草についてのものだが、矢野は、東京人ではない川端康成や高見順の浅草へののめりこみには韜晦があってよくない、と書いている。韜晦というのが具体的にどういうことか分からない…

http://blog.kajika.net/?eid=1002232 相原とく子は、この人である。 http://homepage1.nifty.com/naokiaward/akutagawa/kogun/kogun17AT.htm もっとも上記『沢内農民の興亡』を見ても、相原のことは出てこない。 この古沢襄という人のブログには、私は以前…

文学の学術雑誌ないしそれに準ずるものが、存命の文学者についての論文で占められていたら、その理由は何か、答えよ。1、現代の文学者が空前のすばらしさを発揮しており、物故者より論じがいがあるから。 2、物故文学者の研究はやり尽くしてしまってやるこ…

http://miura.k-server.org/newpage1126.htm 編者でもある鈴木啓介 (都立高校教諭) は、日本人が朝鮮人に対して持つ蔑視をやめさせようとして授業での実践を行っているが、「私は何もしないのに在日朝鮮人にいじめられた。 朝鮮人は嫌いだ」 という文章を…

どうしても必要か?

戸籍というのは、だいぶ以前から、家族ないし直系の子孫しかとれないようになっている。これは伝記研究をする者にはなかなか困りもので、考えたら直系の子孫がいないという人物もいるわけで、そうなると誰も見られないというたてまえになる。著作権のように…