2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

自著を挙げる山内昌之

矢内賢二氏菊五郎伝の「鼠小紋東君新型」の「あずまのしんがた」なる読みは典拠もあるらしい。 『中公新書の森』ようやく届く。『ドット・コム・ラヴァーズ』は亀井俊介先生もあげておられたが、そういえば吉原真里は亀井先生とデートしたこともあったらしい…

東大万年講師魚返善雄の生涯

こういう題の私家版の冊子が国会図書館にあった。魚返の郷里の日田で出されたものらしい。 (活字化のため削除) - http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/ ボールペンがすらすら書けるのはいいことなのだが、宅急便の伝票を書く時に三枚目がすかすかになったりし…

距離を感じる

作品社から、仲正昌樹の『学問の取り扱い説明書』とか、なんかそんな題名の本を送ってきた。もちろん、著者からではない。 中味をぱらぱら見たが、索引を見ても私は出てこないようだし、哲学とか社会学とか、私には興味のないことが多かった。というか、ポス…

学者的礼儀

結局、烏峰波多野春房については、オタどんに教えられた久保田文次「孫文・梅屋庄吉とインド革命家の交流 : バルカトゥッラー、バグワーン・シン、R・B・ボース、波多野春房をめぐって」『史艸』(日本女子大)46, 2005.11)が一番間違いがなく詳しく網羅的…

親水公園

文化放送で浜美枝さんの番組に出るので録音に行く。てっきり四谷だと思っていたら浜松町になっていた。ラジオ局だから、正面に入り口がなく、裏手へ回って階段を登って二階が入り口。クーデタが起きるとラジオ局が占拠されるからね。 放送は6月7日午前。 …

ラクショとラクガキ

国会図書館に始まって、各図書館で、件名「落書」を、みな「らくがき」としているのに気づいた。ラクショとラクガキは、読本の「ヨミホン」と「トクホン」のように違うものだ。 付記:国会図書館の返答は以下の通り。 史学的な観点からいたしますと、落書「…

眼鏡美女の登場

某さんのところで知り図書館で日経新聞を見て、その書評欄に著者インタビューの出ている美人学者の眼鏡美女ぶりに愕然とする。 東大の長谷川寿一研究室で進化心理学を学んだ人で、現在お茶大研究員か。記事では、やたら自分がナンパされたので、人に相談する…

やっぱりそうだったんですね

山下晴代さんが(しつこいかもしれん。許してくれ。きっと美人だから関心があるのだ) 『世界一の美女になるダイエット』 エリカ アンギャル著世界一の美女になるダイエット作者: エリカアンギャル,Erica Angyal出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/04/01メ…

四方田犬彦『歳月の鉛』を読む

『駒場東大学派物語』を読んだ、十年ほど先輩に当たる人から、自分らの時代とは雰囲気が違ったのだな、という感想が寄せられた。佐伯彰一先生が主任の時代である。佐伯先生は、「右翼」でもあるが、研究室の運営には、そういう意向を反映させなかったようだ…

スーザン・ソンタグについて

『スーザン・ソンタグ最期の日々』とかそういう、息子によって書かれた本の書評が『週刊朝日』に載っていた。 ソンタグといえば、1980年代には、美人のすごい批評家として崇拝されていたが、今思うと、何がそんなにすごかったのか。『隠喩としての病い』の教…

特集制について

『國文學』が廃刊になるわけだが、あまり惜しくはない。あれとか『解釈と鑑賞』は「特集制」で、要するに特集を決めて、適宜誰それに原稿を依頼するのである。すると、さして重要ではない論文しか載らないからである。以前は、最近の書誌一覧を載せていて、…

眉山

『女が読む太宰治』(ちくまプリマー新書)で、高田里惠子さんが「眉山」をとりあげていた。 私も高校一年の時、「眉山」を読んで感動しました。ええ、人が「白い犬とワルツを」とか「アルジャーノンに花束を」とかを読んで感動するように感動したのです。 …

幸田弘子の朗読

武藤康史さんは、昔から幸田弘子の朗読を礼賛している。先日お会いした時も、今度塾で「たけくらべ」をやると言ったら勧められた。 私は「朗読」というものに、さして関心がない。もっとも、たとえば文学作品を古今亭志ん朝が朗読するとか、そういうのは面白…

「大山詣り」的疑問

「大山詣り」という落語がある。長屋の連中が毎年大山に参る。これは現在の神奈川県にある信仰対象の山である。ところが、毎年酒を呑んで暴れる熊さんがいるので、今年は酒を呑んで暴れたら頭を坊主にするという約束で出かけるが、案の定熊さんは酒を呑んで…

芳賀・平川時代に「トンデモ修論」がいくつかあった、と書いたが、その一つは私のである。あれは創造的誤読評論だが、学術論文ではない。 ただ、そういう、無理やり関係ないものを比較したみたいなのとは別の意味でのトンデモ論文が、五年くらい前に出たこと…

http://booklog.kinokuniya.co.jp/tsuda/archives/2009/05/post_29.html 津田さんが書評を書いてくれた。なお平川先生が、電話で三時間お説教したというのは、あくまでデマとして耳に入ったという書き方で、ご当人も否定しておられるから、45分くらいだった…

有島武郎情死事件(波多野春房は烏峰なり)

これは『文學界』2003年4月号に載せた「昭和恋愛思想史」の第一回の一部なのだが、『恋愛の昭和史』にする際、割愛したものだ。その後、波多野春房の正体が波多野烏峰だと分かったので、参考のため載せておく。あとでウェブサイトに移動予定。 作家・有島武…

仙台文学館から『井上ひさしの世界』のパンフレットを送ってきた。石原千秋、大江健三郎、樋口陽一、小森陽一らが寄稿している。見れば見るほどムカムカする。誰も「天皇」の「天」の字にも触れない。 私は『紙屋町さくらホテル』を褒めた(このパンフレット…

原罪

高校三年生が野球の球を顔面に当てて死んだ。打ったやつはたまらんだろうなあ…。私が高校生の頃、体育の時間に槍投げをしていて、投げた時人に当たりそうな気がしてひやりとしたが、実際は遥かかなただった。ああいうのが当たって死んだら、一生の苦悩だなあ…

作家の末路

よしもとばななは最近どうしているのかと思ったら、作家としては半ば終り、オカルトの人になっていた。そのオカルト満開の最新刊は、アマゾンレビューでは絶賛されていて、そりゃオカルトでない人はいちいち読まないからである。 私が阪大にいた頃も、博士論…

お説ごもっともではあるが

http://news.livedoor.com/article/detail/4140948/ 非常勤講師の悲惨が語られていて、言うこといちいちごもっともとは思うが、大学院を作りすぎという問題が抜けている。 それと、首都圏非常勤講師組合というのは、明らかに政治団体化していて、護憲とかイ…

『トリアングル』を読む

俵万智の『トリアングル』は、新聞連載中にちらちら見ていたのだが、先日武藤康史さんとちょっと俵万智の話をしたこともあり、文庫版を購入してちゃんと読み始めた。さて、ヒロインの不倫相手のカメラマンMは、12歳年上で、ライターのヒロインが25歳の頃に…

吉行淳之介の死をめぐる妄想

吉行淳之介の死を、私は桑名駅で知った。今から15年前の七月のことである。大阪から関東へ帰る途次で、その頃は頻繁に東西を行き来しており、その時は確か、以前志摩から大阪へ帰る時に乗った近鉄本線から見た山の中の集落の景色がもう一度見たくて、それで…

どっとはらい

「セカンドオピニオン」なんて言うからがんかと思って生きた心地もしなかったよ田中貴子。あんたに今死なれたらたまらん。 ほんまもんの卑怯な学者は、何言われても完全沈黙、黙殺して生き延びるものや。それをあんたはぎゃあぎゃあ言い返すし、ウィキペディ…

小堀桂一郎の川端嫌い

(活字化のため削除) - 1931年生まれの医者から、『こころ』は私の愛蔵(愛読?)の本だとか言ってからまれたので、やはり同年の斎藤衛のことを思い出してしまった。渡辺秀樹を私にけしかけた爺さんである。阪大へ行ってほどなく、新任教員として何か研究発…

連休だから出ないのかと思っていた『週刊朝日』の書評欄で福田眞人の本がとりあげられていて、「ハリセンボンが結核で入院と聞いて驚いた」と書いてあったから、魚が入院したのかと思って驚いた。 先週の『週刊朝日』には、沖藤典子が女学校時代、級友が『テ…

巻頭には常連執筆者らによる寄稿が並んでいるが、平川先生だけほかの人の分量をはるかに超えてけっこう長いものを書いている。先日いただいたお手紙と重なる箇所もあるが、富士山を見て感動するのは神道的精神で、だから天皇は尊いとかいうものである。 しか…