2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

プルーストは両親が死ぬまで・・・

柳美里「石に泳ぐ魚」裁判関係の新聞記事を見ていたら、読売に、こうあった。「かのプルーストは、大作を執筆し始めるのに両親が死ぬまで待ったそうだ。時間の流れの速い現代はそうもいかないだろうが、小説家にとっては悩み多き時代になりつつあるようだ」…

金井美恵子の直言

『一冊の本』の金井美恵子先生の連載、今回は茂木健一郎と中村文則の悪口で爽快。恐山へ行って「信じてない」と言いつつ小林秀雄の霊をイタコに呼び出して貰ったり、盛んにテレビに出るかと思えば江原啓之の『ANOYO』なんて雑誌にも登場して、とうてい…

愚や愚や爾を如何せん

稲垣恭子『女学校と女学生』(中公新書)を立ち読みしたら、妙なことに気づいた。こういう研究は、本田和子(ますこ)の『女学生の系譜』(青土社、1990)が先鞭をつけたものだが、割りに充実した参考文献表に本田著が載っていない。当然、本文中にも出てこ…

日本の地名

むかし「言論は日本を動かす」という書籍のシリーズがあったが、最近は、権力者が言論を無視することを覚え、無視しても平気であることを知ってしまったので、動かさない。町村合併による新地名の創出など、言論人のほとんどすべてが批判していたのに、蛙の…

「学者のウソ」(2)

あと、個別に気になったことだが、掛谷氏はゆとり教育を批判する、それはいいのだが、 ・「個性を伸長しなければならないという目的自体は、誰もが賛同するだろう」とある。いや、私は賛同しない。「教育とは、凡庸の強制である」と思っているからである。こ…

「学者のウソ」

掛谷英紀氏から、新著『学者のウソ』(ソフトバンク新書)が送られてきた。掛谷氏は、前の著書『学問とは何か』以来、政治的意向によって学問をねじ曲げる者たちを厳しく批判している。今回も、それがさらにパワーアップしたものと言える。中でも、厳しい批判…

「日本文壇史」

私は、伊藤整・瀬沼茂樹の『日本文壇史』を通読したことがない。始めは通読しようとしたが、あ、これは、と思ってやめた。これは、字引的に使うべきだと思ったからで、私の記憶力では、読んでも忘れるから、必要に応じて必要なところを読めばよい。 それにし…

女が・・・とき

前にミクシィの日記で書いたんだが、1972 女が外に出るとき 犬養道子 中央公論社 1974 女がそとで働くとき 来栖琴子 水曜社 1975 女がはばたくとき 桐島洋子 PHP研究所 1979 女が職場を去る日 沖藤典子 新潮社 女が自分と向きあうとき 吉武輝子 海竜社 1979.…

跡見順子先生のこと

(活字化のため削除) - ギロチンを発明したのはフランスの医師ギヨタンだが、恐らくフランス革命の後、ギヨタンという姓の人は姓を変えただろう。フランス系アメリカ人が「ギロチン」を名乗っているのはあまり聞かない。またアルツハイマーを姓とする人も、…

ヨコタ村上孝之『色男の研究』ですが、著者は、近世日本(つまり江戸時代、ってやつですね)には「色男」というのがあったけれど、近代になって「恋愛」に変わった、俺は「色男」のほうがいい、と言っています。著者本人は、モテ男らしいです。三回くらい結…

由良先生のこと

四方田犬彦の「先生とわたし」(『新潮』三月号)って、由良君美の思い出であることを、さっき書店で見て知って買ってきた。なお私は四方田さんとは面識がない。 由良先生といえば、私は一年生の時に英語を教わったが、教科書はデズモンド・モリスの『ジェスチ…

柳沢伯夫について

要するに、謝りながら言っているわけで、問題の本質は、もし小泉が総理だったら、ガンガン自分で反論しただろうということである。安倍にそれができるはずもなく、やはり安倍はバカなのである。 だいたい、厚生労働省なんて、五年このかた「タバコを吸う奴は…

Princess Tenko

竹熊健太郎先生も次第に快方に向かっているようである。 http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_2c04.html#more しかしここに、二代目引田天功を継いだ時のプリンセス・テンコーの大脱出失敗について書いてあるのだが、むしろ二代目天功は、…

白川静は偉いか

(活字化のため削除) http://saruta.exblog.jp/2171999/ これも面白い。石原千秋ってだいぶおかしな人なんだなあ。でも「スタイル抜群の美人」なんて学生のことを書いてしまうあたり、なんか憎めないものがある。 −−−−−−−−−−−−−− 『日本の話芸』で「六代目…

日本共産党50年史

1973年、『週刊プレイボーイ』に連載された内田栄一原作のマンガ「噫 日本共産党50年史」は、天皇が××する図、そして天皇のベッドシーンのシルエットが出て、雑誌はこれを黒く塗りつぶして出し、二十回で連載は中断した。この全部が『資料・反合法出版物 噫…

最新世界現勢

私が予備校生のころ、こういう本が平凡社から出ていた。それからあとも、毎年新版が出たので買っていた。しかし平凡社がいったん倒産してから、出なくなってしまった。一ページごとに世界各国の現状がコンパクトに解説されている本だったので、なくなって不…

前にここで、佐藤優の悪口を書いておいて、どうでも良くなって消したのだが、相変わらずあちこちで褒められていて、私にはちっとも分からないのである。まあ佐藤自身の外務官僚としての経験とか獄中体験が面白いというなら別にいいのだが、おかしな文化論や…

隠蔽される「天皇」

衛星放送で坂手洋二の「だるまさんがころんだ」の上演を放送していた。鶴屋南北戯曲賞受賞作である。冒頭にはいつものように、林あまりと鈴木裕美による坂手へのインタビューがあった。林さんには四、五年前に一度だけ会ったことがあるが、だんだん綺麗にな…