池波正太郎「私の歳月」アマゾンレビュー

私の歳月 (講談社文庫)

柳生一族の陰謀」(笑)
星3つ - 評価者: 小谷野敦、2021/04/17
1979年刊行の随筆・対談集。対談相手は佐多稲子、料理関係者、中一弥、そして架空のジャン・ギャバンとのもの。あまり時代考証的な話はなく、映画も東京も昔は良かったというのが多い。面白いのは「柳生一族の陰謀」という映画を、ひどいひどいと繰り返し言っていることで、あれはひどい。あとダッカのハイジャック事件で人質が解放されたあと犯人をほめるのが人間の矛盾だと長々と書いているがこれはストックホルム症候群であろう