内海健「金閣寺を焼かなければならぬ」アマゾンレビュー

2021年1月27日に日本でレビュー済み
大佛次郎賞をとったので、なんだなんだと思って読み始めて、すぐ落胆した。吉本隆明あたりが好きな「文学的精神病論」に過ぎなかったからだ。私は金閣寺放火に何の関心もなく、キ××イがやっただけだろうと思っているし、三島の『金閣寺』にも何の感興も覚えない。内海は、金閣寺放火の理由をさぐっても意味はないという。だが衝撃が残るという。いやキ××イがやったんだから衝撃はないのである。さらに内海は、泣くから悲しいのだ式の、意識はあとから来るといった非科学的な文学的議論を展開し、三島にわけいり「金閣寺」を畢生の傑作と言い、あとがきには「令和憂国の日」などと書くので、こりゃダメだ、単なる三島ごりだと思った。「辟易とする」などという日本語の誤用もあった。
 

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