梁英聖「レイシズムとは何か」アマゾンレビュー

2021年1月8日に日本でレビュー済み

 
著者は日本における在日朝鮮韓国人へのレイシズムを国籍と結びついていると論じる。欧米と違って日本の在日はシティズンシップを獲得していないという。ならばなぜ帰化しないのか。1952年に旧日本領で日本国籍を持っていた朝鮮人が国籍を剥奪されたというのは分かるが、剥奪が不当なら帰化すればいい。それとも日本国が1952年の行為を謝罪して無条件で国籍を付与すべきだというのか、そのあたりがいささか晦渋な行論の中で分からなくなっている。帰化したらいいんじゃないか、という問いを問うのはおかしいのか、それを説明してもらいたかった。
 また著者は資本主義を批判しているが、現実には一党独裁になるだけの社会主義を目ざすのだろうか。