学問のオリジナリティ

学問のオリジナリティということは以前からしばしば問題になる。歴史学でも文学でも、新しい資料を発見してきたらそれはオリジナルだ。だが誰もが新しい資料を発見はできない。

 そこで、明治大正期の本を見て、こりゃまだ誰も言ってない、といって発表するにあたり、最近のように国会図書館デジタルで見られるようになると、それで見たんだろうというんで値打ちが下がるということが起きているんじゃないか。厳密にいえば国会図書館にある以上、行けば見られるんだから誰も新発見とは言わない。ただ気分として、である。

 あるのは分かっているが誰もそれを論文にしたことがない、というあたりが穏当でいいので、まあそのあたりでよしとするのが一般的である。