辻田真佐憲「ふしぎな君が代」アマゾンレビュー

2020年9月24日に日本でレビュー済み
 
賞賛論が多いのであえて書く。著者は「軍歌は好きだが右翼ではない」著者として登場した。だが本書を読んで、やっぱり右翼だったんだなと私は思った。君が代を、天皇礼賛の歌とし、それで特に否定はしない。著者は、否定論でも肯定論でもない第三の道を提唱すると言っているが、天皇制を肯定しているという点で、私には肯定論の一としか思えない。「主権の存する国民の総意に基づく」というが、私を含めて天皇制を認めない人もいるのだから、これは事実ではない(国民投票すらしたことがない)。著者は依然として天皇制を戦争責任の枠組みでとらえているが、身分制度であって廃止すべきだという意見にちゃんと答えたことはない。あえて右翼だな、と言わせていただくゆえんである。「君が代」の歴史を知るにはいい本だ。私は、国歌は別のものに変えるべきだと思う