ジョアナ・ラス「テクスチュアル・ハラスメント」アマゾンレビュー

 女がものを書くとさまざまな手口で「否定」される、とラスは言う。だがそのラスは、フェミニズムにとって都合の悪い女作家は、自分で否定しているのだ。マーガレット・ミッチェルとパール・バックは名前さえ出てこず、エリカ・ジョングなど批判さえされている。平安朝における宮廷女房たちの物語や和歌がこれほど評価されている日本で、こんな本を翻訳して、何の意味があろうか。(なお削除されたらしいがそれに言及している人がいるので元の文章を見ることができない状態で批判だけ見られるのはアンフェアであろう)
小谷野敦