ピンカー『心の仕組み』

 ピンカーの『心の仕組み』をちくま学芸文庫版で読んだ。もとはNHKブックスで全三冊で出ていたものを文庫に組んだものだが、下巻に分からないところが二か所あった。といってもほかが分かったという意味ではなく、明らかに意味が通じていないところ。

340p「女性は夫に何を求めるべきだろうか? 1970年代のバンパー・ステッカーに「男のいない女は、自転車のない魚のようなもの」というのがあった。」

「自転車」が誤訳なのかと思ったが、分からない。

(付記)亀井麻美さんに教えてもらったのだが、これは

A Woman Needs A Man Like A Fish Needs A Bicycle

の訳で、魚にとっての自転車と同じくらい女にとって男は不要だ→男は無用の長物、の意味。だそうです。

466p「笑いのきっかけになる典型的なせりふは、「じゃあまた」と「それはどういうこと?」だった。つまりは例の「その場にいるべきだった」というやつだ。」

 外国のジョークは分からないが、これも分からない。そしてこの本は解説がついていない。