アンソロジー

「アンソロジー」というのは「詞華集」と訳され、複数の作者による詩歌ないし短編小説を集めたものだ。ところが、土曜美術社から「アンソロジー山田隆昭」など「現代詩の10人」という十巻が出ていて、題名が示す通り一人の詩人の詩集なので、これは困る、「アンソロジー」ではない。
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しかし『デジタル大辞泉』に
「また、同一詩人・作家の選集。」とある。これはどういうことか編集部に尋ねたら、
「ご指摘の【アンソロジー】の項目ですが、1995年刊の『大辞泉(初版)』より、加
筆・訂正されていない語釈であり、当時から、同一人物の作品集に関してもこう
呼ぶと記述しております。現に、書籍として『ベンヤミン・アンソロジー』『辺
見庸アンソロジー』など、同一著者の作品集も世に出ているようです。一方、
広辞苑』『大辞林』『日本国語大辞典』は「詩文などの選集」「作品の選集」
「一定の基準で選ばれた詩歌集」(すべて抜粋)といったシンプルな語釈で、複
数人によるもの限定か、ひとりの作者によるものも含むかを明示しておりません
(おもな英英辞典もそのような記述です)。『大辞泉』のみが「いろいろな詩
人…」で始めつつ「同一詩人(のも呼ぶ)」ととしております。なぜ、『大辞
泉』のみがこのような記述となっているのか、初版刊行当時の執筆者や編集ス
タッフとの連絡が難しい現状につき、明確にはお答えできません。つきまして
は、現在の編集協力の先生方と協議させていただきました、内外の事例を調べ、
必要ならば適切な語釈へと書き改めたいと思います。ご指摘、誠にありがとうご
ざいます。」とのこと(三月九日)
 ベンヤミンとか辺見庸のは、誤用だろう。