シェパード

 マークートウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』に「シェパードソン家」というのが出てくる。だが綴りが「Shephardson」であるため、新潮文庫村岡花子訳では「シェファードソン家」と書いてあった。私は修士論文でこの作品に触れて「シェファードソン」と書いていた。これが『八犬伝綺想』として福武書店から本になったのだが、最後にどういうわけか、九段下の福武書店の一階で缶詰になって校正をやらされた。この時は印刷所がおかしく、直しても反映されていなかったりしたのだが、その時、ふと、これはシェパードソンじゃないか? と気づいて、そこの電話から舌津に電話したらいて、確認して「シェパードソン」に直した、ということがあった。