川端康成が伊藤初代から突如ふられた「非常」の手紙について、初代が養父である僧に犯されたからだという説をなしている者があるのだが、それではそのあと初代から川端にきた「あなたを怨みます」という手紙がどういう意味なのかさっぱり分からないのである。

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日本近代文学の起源』に「花袋はもっと罪深いことをしているはずである」とあるのを福嶋亮大が注で引用しているが、これは意味が分からんでいたところ、大西小生によると、旺文社文庫の『蒲団』には「ある朝」が併録されておりこれは花袋が芳子を犯してしまうフィクションなのだが柄谷はこれを読んで事実だと思ったのだろうとのことであった。