三月一日である。花粉のためにみなぼうっとしているらしい。郵便局へ行って郵便を出したら,女の局員が「205円です」と言うから、「あと80円切手五枚」と言うと、「615円です」と言うから、1115円出したら、またごそごそやっている。この郵便局では「機械が変わったので対応が遅くなるかもしれません」と書いてあって、機械を変えて何で遅くなるんだ、と思っていた。そのうち、なんだか安すぎるような気がして、これは切手だけではないのかと思い、「あ、合算してくれた?」と訊くと、「いえすみません、別々になります」と言うから、「それは困る、合算してくれないと」と言うと、またごそごそやって、何も言わずに1105円を取っていくから、「あっ」と言うと、615円でいいのだと言う。じゃあさっきの「別々になる」って何だ、と思っていると、400円のつりをよこしたから、そのまま出て自転車で走りだすと、「お客さまーっ」とさっきの、痩せてはいない局員が走ってくる。つりが100円足りなかったのである。思うに「合算」って言葉の意味が分からなくて、買った切手を郵便に使えという意味だと思ったのだろう。