小畑峰太郎とは誰ぞ

 『新潮45』の3月号に、小畑峰太郎が小保方晴子を罵倒する記事を書いている。「味噌汁で顔を洗って出直してこい」というえらい下品なシロモノだ。
 はてな? 小畑といえば、『STAP細胞に群がった悪いヤツら』という、同誌に連載したものをまとめた著作を出して、理研は小保方をスケープゴートにした、と書いた人である。それがなんで突然、小保方罵倒になるのか。
 だいたいこの小畑という人の履歴は、1960年札幌生まれ、慶大文学部卒、編集者をへてライター、とあるが、2014年に同誌に書き始めるまで記事がなく、54歳になってライター転身、単著も一冊だけというよく分からん人で、実在を疑う人もいる。
 それで、『STAP細胞に群がった悪いヤツら』を読んでみると、若山照彦に対しては妙に追及が甘いのである。大和、笹井、野依といった理研の面々は「悪いヤツら」に入れているが、若山は「理研からハシゴを外された」「最初からES細胞の混入を恐れていた」などと書かれており、なぜか若山への突っ込んだ取材や追及がない。それどころか、山梨大学の人に、圧力はかかっていないか、などと質問している。どうやら小畑の背後には若山がいる、ないしは何かの事情があると思わせてならないのである。