1月7日、NHKの「クローズアップ現代」で、今度書簡集が出る谷崎と松子をやっていた。録画して観たが、実に嫌な番組であった。千葉俊二先生は、はじめいきなり「専門家」として出てきて、あとではもちろんちゃんと名前も出るのだが、スタジオに来たのは高橋源一郎で、はーて高橋が谷崎好きだったっけと妙な感じであった。あとは、太田光と光代、壇蜜田原総一朗とか、非文学的な人ばかり、要するにテレビ人士ばかりが登場したのである。しかも柳原白蓮なぞ引き合いに出して、不倫の恋を貫いた二人、とかいう「松子神話」に添った話にしており、だいたい谷崎と松子が最初に出会ったのは昭和二年で、まだ谷崎は千代と一緒だった。それが番組では、何やら古川丁未子と結婚していた時に会ったかのように描いていて、これなら江守徹がやった「谷崎その愛」のほうがずっといい。要するに、松子と出会って宿命の恋におち、妻も離縁した、のに別の女と結婚した、では茶の間受けしないということであろう。
 そうしないと「文学」が売れない時代なのだ、というのは分かるのではあるが。 

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月光仮面は誰でしょう」は、私は70年代のアニメのメロディーで歌ってしまう。これもまあ世代的なものであろう。「おじさん」といった歌詞があのメロディーには合っていないが。
 その二番に「どこかで苦悩に泣く人あれば 必ずともにやってくる」とあるのだが、この「ともに」は何であろう。字数を揃えるためなら、「そこに」とでもしておけばいいのに。