佐伯さんのラジオ番組は昨日で最終回だった。やっとこういう実証的なところへたどりついたかと感慨があるが、「読売新聞」で見た文章を「徳田秋江という人が」と、まるで近松秋江であることを言わずに紹介したり、危なっかしいところ、いちいち明治の人を「川上貞奴さん」とかさんづけするのはもう昔から。
 しかし結論は変であった。前から、男女平等は明治に退化したとか言っており、これは実は大日本帝国憲法発布で女性参政権運動なんか頓挫してしまうので、その限りでは正しいのだが、いろいろ変で、要するに明治大正期の働く女性の話なのだが、これは往々にして結婚前のことである。また農業従事者のことも言っていたが、これは要するに自宅で、子供は畑や田圃につれていけるわけ。商家の奥さんも家でする。それと、通勤してする仕事とは分けて考えないと、おかしなことになる。
 どうも悪しきフェミニズムの影響で、外で働くことがいいことだとア・プリオリに決めつけているのだが、それは「能力次第」である、という視点がない。まあ、もしあったらNHKで起用しないだろうが。能力のない女は育児をして、能力のある人は仕事をして、育児と両立できたらいい、というところである。そうでないと、無能な遺伝子が残ることになるから。
 それと日本の女性解放度が先進国に比べて低いみたいな話をうのみにしているが、これはGNPとか、人口密度とも関係するので、それをぬかした順位など持ち出してもしょうがないのである。フランスで、二時間かけて満員電車で通勤するなんてことはないのである。