岩波文庫の伊藤梅宇『見聞談叢』を読んだ。梅宇は仁斎の子で東涯の異母弟だが、西鶴の本名が平山藤五であることが、この随筆によって知られたというものである。ところで校訂は亀井伸明なのだが、この人がどういう人なのか全然分からない。著作はこの校訂しかなく、論文はこれに関する『史林』のものがあるだけ。刊行は1940年で、京大出身らしいことが分かる。八年ほど前に父を亡くしたことも分かる。だがそれだけである。戦時中に若くして死んでしまった人なのだろうか。

                                                                                    • -

 ホワイトさん、リテイクするなら言ったんだが、「命はひとつ」じゃなくて「荷物はひとつ」なんです。