国会図書館OPACの壊滅状態

 国会図書館は年末年始にOPACの入れ替えをやった。その結果、ひどいことになった。
図書から雑誌記事まで全部検索するのがデフォルトなので、いちいち全解除しなければならない。それはまだよろしいが、スラッシュを入れての検索ができなくなったのである。
 たとえば「文学」という雑誌を検索しようとして、普通に「文学」と入れたら、膨大な「文学時代」や「文學界」まで全部出てくるから、以前は「/文学/」とすればよかったのに、その機能が消えてしまったのだ。これはとんでもないことである。
 電話して訊いたが、どうやらこの重大事態を全然理解していないらしく、私が「たとえば林秀雄という人を検索しようとすると、小林秀雄まで引っかかってくるわけでしょう」と言うと、「それはnot検索をすれば」と言う。分かっていないのである。そこで、「じゃあ林光って人はどうするんですか。小林光雄とかそういうのがみんな引っかかってくるんですよ」と言ったら、うすらぼんやりとは理解したようだが、何だか検索システムを外から輸入したらしく(出来合いのものを使ったということ)、そのことばかりくりかえし言っている。実はこの「//」問題は、Ciniiでも前から面倒で仕方なく、これは解決されていない。こういうことが起こるのは、研究者の意見を聞いていないからである。雑誌の「潮」なんてどうするんだ。
 その上、デジタル化したものの複写は色が黒すぎて不鮮明だし、どうかしてるぞ国会図書館
小谷野敦) 
(付記)「検索語一覧」を使えばいいことが分かった。人名の場合は姓名の間にスペースを入れる。しかし電話した際にそれを言えないってことは問題だな。