紅野謙介の偉業を読む

 前からオタどんに教えられていた『週刊読書人』の、紅野謙介による川西政明『新・日本文壇史2』の書評をようやく読んできた。紅野は、川西を「百年後のパパラッチ」と呼び、その男女愛慾のさまをいかにもも見てきたように描くやり方を何とも巧みに揶揄描写していて、なかなかの偉業である。有島武郎と波多野秋子の心中に際しても、「もちろん、その前夜二人は姦通した」とあるのを、こういう「姦通」の使い方は昨今珍しいとし、谷崎潤一郎が、妻千代の妹を「強姦」したという記述を紹介する。もちろん、強姦したなどという証拠はどこにもないのである。
 人は川西が『渡辺淳一の世界』の著者であると知ったら納得するであろうか。

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ネットユーザーですら、品切れ・絶版の本の見方や入手法をあまり把握していないようだ。
 私はまず、著作であればNDLOPACでどの辺が新しいかを確認する。続いて近い図書館を検索、アマゾンと「日本の古本屋」を見て、重要度によって買うか借りるかを決め、また図書館で現物を見てから買うのを決めることも多い。
 次いで、古書店でも高値がついていて、もし著作権切れであれば、国会図書館で全部複写した場合とどちらが高値か計算する。なおこれは国会図書館へ行くわけではなくて郵送複写である。なおオークションに出ることもあるのでヤフオクとかも確認。
 また雑誌論文は、NDLに雑誌があって、掲載年月日が分かっていれば、何も雑誌論文一覧になくたって郵送複写依頼はできる。