名古屋大学出版会、再び

http://miura.k-server.org/newpage1109.htm
 三浦淳先生は、ちゃんと答えてくれる人なので好きである。

上で、「名古屋大学出版会とは名古屋の大学の出版会の意味で、名古屋大学の出版会の意味ではない」 という呉智英氏の記述に疑問を呈した。 この点について、小谷野敦氏は自作ブログで拙サイトのURLを引用した上で、名古屋大学出版会はどこよりも広く他大学教員の本を出しているという指摘をされている。この点は、私自身も上で少し言及しているが、そのとおりで、だからこそ現時点で名古屋大学出版会は――仮に名古屋大学出版会を国立大学出版会とするのが妥当と仮定すると――国立大学出版会のなかでは東大出版会に次ぐ充実ぶりを示しているのである。ただし、だから名古屋大学出版会は名古屋の大学出版会の意味なのだと言えるかどうかは、また別である。英語表記が一つのヒントになるだろう。名古屋大学出版会の英語名称はThe University of Nagoya Pressであり(名古屋大学出版会のサイトを参照)、これは例えば東京大学出版会の英語名がUniversity of Tokyo Pressというのと変わらない。 仮に名古屋の大学の出版会という意味なら、Universityが単数であるはずがないのである。

 ところが、「名古屋大学」の英語名称は、University of Nagoya ではない。Nagoya University なのである。
http://www.nagoya-u.ac.jp/en/
 なぜ複数形でないかと三浦氏は言われるが、これを複数にすると、名古屋市内の大学しか意味しないからである。では単数ならいいのかというに、ここは難しいところだが、恐らくuniversityには集合名詞的な意味があると思われる。まあこれはマルクス博士にでも訊きたいところだが、一番いいのは名大出版会に訊くことだろう。それと前の部分で、それならなぜ事務局が名古屋大学内にあるのか、というのはこれはいいがかりで、それならなぜ日本英文学会の会長は歴代東大教授なのか。
http://d.hatena.ne.jp/DrMarks/20100726/p1

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私の夫婦別姓法反対論に誤解があるようなので付け加えると、私は戸籍制度を廃止するなら賛成なのである。しかし戸籍制度を残した上での法令上の夫婦別姓は、家制度を残存させようという手段でしかないと言うのである。何でも西洋に倣えの好きな日本が、なんで日本およびその支配下にあった韓国および台湾にしかない戸籍制度に固執しなければならんのか。