私の東大雇い止めの原因を作った東大総合文化研究科化学教授・下井守が、定年退任することになり、『教養学部報』の最新号に「駒場をあとに」を書いている。ところがそこで驚いたことに、私との一件が書いてある。何で驚いたかというと、下井教授は構内禁煙を守るためにパトロールをしていて、イエローカードを出す、などということをしていたという。そして「禁煙ファッショと戦う」という非常勤講師に出会い云々、経緯は中央公論にも彼のブログにも書いてある、「事実誤認や脚色もあるので」反論しようかと思ったがばかばかしいからやめた、とあるのである。
 ばかばかしいからやめるくらいなら、こんなところに書かなければよいのである。さて、事実誤認というなら、下井教授が職務としてパトロールしていたとは私は知らなかったのだから、そのあたりのことかもしれない。しかし「脚色」とは聞き捨てならない。私は記憶にある限り事実を書いたのである。そこでこれを発見した1月28日、駒場の学部報編集室へ電話をしたら、佐藤とかいう女性が出た。そこで経緯を説明したら、下井教授と、編集委員長の山脇直司教授に連絡し、私の電話番号も教えた、という。
 念のため、私は下井教授の学内メルアドを探って(他の教授のそれと同じ形式だという推定により)、どこが「脚色」なのか教えてくれるよう打った。
 以来、11日、下井からも山脇からも梨のつぶてである。いやはや、下井教授、当初はただ職務上実行しただけの人かと思っていたら、こんな中傷記事を書いておいて、質問にも答えないとは、そこまで根性の悪い人だとは思いませんでしたよ。

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さて先般、『禁煙ファシズムと断固戦う!』の感想をメールで送ってきた人がいた。私には本メアドがあってこれは公開されているのだが、それではなくて、ウェブサイトの問い合わせメールから来た。これは、

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とちゃんと書いてある。長崎大学の教授だというご仁、もう少し社会秩序を守ってほしいものである。
 書いてあることは下らないことで、なかなか説得されたというのだが、ヒトラームッソリーニなど枢軸国の首脳は非喫煙者で、チャーチルルーズヴェルトなど連合国首脳は喫煙者だったのは都合がいいのではないか、と言う。イスパニアフランコもそうだというのだが、下らない。私はだいたい枢軸国が悪くて連合国が正しいなどとは思っていない。第一昭和天皇は恩賜の煙草を下賜されていたのである。仮にどっちかが善でどっちかが悪だとしても、その首脳が喫煙者かどうかなどというのは、単なる印象操作でしかない。
 さらに、自動車の害については杉田聡さんという友人が書いているからお読みになるとよろしいと書いているが、私は杉田さんの本なら既に触れたことがあるし、杉田さんとはかつて交流もあったのである。
 調べてみたらこのお方は環境問題左翼らしく、9.11テロは米国の陰謀だみたいな本をきくちみわと一緒に訳していたので、こんな低レベルな人とあまりやりとりしたくないと思った。
 『断固戦う』で述べた通り、私は禁煙派と議論する気はもうない。ただ行き過ぎを反省してもらいたいだけである。