寺脇研が間違っていたわけ

 私の中学時代の、大学出立ての若い女国語教師は、教科書に「冷厳(だ)」と書いてあるのを見て、生徒が「れいげん」と読んだら「れいだ」と訂正し、生徒が疑念を表明したら「ほら」と教科書を示し、生徒らから訂正されていた。そんなものだ。そんな国語教師に、教科書に載っている作品の多様な読みをなんちゃらする授業を期待できるはずがない。
 中高一貫でラサールだった寺脇研は、そんな教師に教わったことがないから、ゆとり教育などということが言えるのだ。バカな教師は「これが範囲だ」と言われたらそれを教えるしか能がないのだよ。

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R25の記事。

長崎県佐世保市の成人式で、リーゼントの金髪男を中心とした約20人の集団が市長を扇子で叩こうとしたり、野次を飛ばした挙句に市長から「社会というのは厳しいものだ。ルールを守れるようになりなさい!」と怒られた。その発言を後押しする別の新成人が拍手をし、彼らは退出。その際の捨てゼリフが「今日がこういうことをやれる最後の日。明日からはまじめに働く」だったことから、2ちゃんねるでは、
「いつからでもまじめにできるのが真の大人」
「こういうことをやらなくなる最初の日だろうが成人式なんだから」
「普通は中学卒業する時に言う言葉なのに(´・ω・`) 」
といったツッコミがあがった。

 冗談じゃないぜ。蔭でこそこそ人(この男の場合じゃなく)を罵倒している2ちゃんねらーより、体張って愚行をしたリーゼント男のほうが人間としてなんぼかましだ。こんな記事書いてるから「誰も守ってくれない」に存在意義があるってことになるんだよ。

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森雅裕が「どんでん返しの名手」と書いていたので、その勧める多島斗志之の『<移情閣>ゲーム』を読んでみた。孫文のロンドンでの南方熊楠との出会いなど、実によく調べて書いてあるのだが、孫文ブームを起こして蒋経国ととう少平、つまり中台に握手をさせるという企画自体にムリがあるし、それが、孫文共産党系に暗殺されたという説が出て影響を与えるということもありえまい。あとこの論文をどこかの雑誌に掲載しようと躍起になる筋だが、今ならネット上に出してしまえばいいわけで、時代を感じる。