早稲田的なもの

http://d.hatena.ne.jp/maonima/20100102/1262442473
 早稲田を出たから早稲田的というわけではない。加藤典洋柴田元幸庄司薫なんか東大卒でも早稲田的だ。
 アーウィン・ショーの「夏服を着た女たち」なんか早稲田的だな。
 村上春樹がもちろん今では最も早稲田的。『東京人』や『本の雑誌』は早稲田的。坪内祐三武藤康史慶應だが早稲田的。俵万智。古くは尾崎士郎五木寛之平田オリザはICUだが早稲田的。呉智英さんもああ見えて早稲田的。平岡正明四方田犬彦もちょっと早稲田的。立松和平
 ヘミングウェイも早稲田的。フィッツジェラルド。ドス=パソスは違う。野崎歓は東大准教授でも早稲田的。直木賞は早稲田的。高橋源一郎。ジャズ。ウィスキー。山口瞳山田風太郎
 大塚さんが誤解しているようだが、別に嫌なものと限ったわけではない。しかも早稲田的なものは嫌われているのではなくて人気があるのだ。人気があるから言いたくなるのだ。

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ウルトラシリーズゴジラガメラも、今ではいくつものパラレルワールドを持ってしまっている。84年ゴジラや金子ガメラの世界は、それまでの世界と切れているのみならず、ゴジラ映画やガメラ映画も存在しなかった世界である。

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最年少博士号取得というのはあまり聞かないが、
http://www5.tokyo-shoseki-ptg.co.jp/tosho_new/book/bookdata/02/4487803361.html
 この人が27歳でとっている。しかし27歳とはずいぶん上だ。確かに特殊なものでない限り、修士二年、博士二年でとれば26歳だが、私の把握では、
東浩紀 28歳10月
榎本泰子 28歳7月
安田敏朗 27歳4月−28歳2月
 である。榎本は刊行が遅れたので、サントリー学芸賞受賞時、最年少のはずだったのが東がいたからそっちへ持って行かれたという。安田は生まれ月が分からないが、12月だとしても榎本を抜いている。一年ブランクがあって、博士二年でとっているから、ブランクがなければさらに短縮できるはずだ。まあそんな記録に挑戦する人もいまいがーー。
 立教大学川勝麻里は1980年生で2007年3月にとっているから、27歳以下は確実、もしかすると26歳かもしれない。(付記・27歳2月と判明。文学系では恐らく最年少)

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生島治郎の『片翼だけの天使』を遅ればせに読んで、暗い気分になった。明らかにこのソープ嬢は「頭が弱い」のだ。なのにこの主人公は、韓国人だから言葉が不自由なのだ、と思おうとしている。しかし頭が弱いことに気づいているのは「天使」という表現で分かる。生島のもっと若いころのことを描いた自伝的小説『浪漫疾風録』では、妻だった小泉喜美子に小説を書くことを禁じたとあって、嫌な男だと思ったものだが、要するに生島というのは「バカ女好き」なのだろうか。私には理解できない性向である。おや生島も早稲田卒か。

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学者が大学を定年になったり死去したりして大学紀要に略歴が載ることがあるが、しばしば、専任職のほかにどこで非常勤をしたということがずらずらと並んでいる。これは叙勲などで少し意味を持つらしいし、小さな私大の教授で、東大で非常勤をしたということを誇りにしている人もいるが、東大教授がどこで非常勤をしたかなど一般人にはどうでもいいことで、それをウィキペディアにずらずら書きうつしたりしているのがいるがやめてほしい。