賞男

 内閣支持率の低下をたばこ増税と関連づけるニュースは未だ見つからない。いくつかの原因をあげる形の中でも、それは出てこない。現実を直視しないというより、マスコミがおダブツ状態であることを示している。

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島田雅彦はせっかくCMにまで出たのに谷崎賞も野間文藝賞もとれずさぞがっかりしているだろう。しかし毎日出版文化賞があの二流アクション小説というのには呆れる。野間文芸賞のほうもそうじゃないかという気がする。
 田中純先生が三つめの賞になる。岡田暁生といい、何でこう一人に賞が集中するのであろうか。

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家族ゲーム』は伊丹十三松田優作で大ヒットし、キネマ旬報ベストワンになり、森田芳光は有名監督になったが、原作者の本間洋平はいずこかへ消えてしまった。

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気の狂った笙野頼子による『海底八幡宮』の、出版しなかった集英社の『すばる』における安藤礼二の書評は、懸命に小説そのものから遠ざかろうとしている。「文壇」で生き抜くのは大変だ、というようなことを「侃侃諤諤」や「相馬悠々」が書くことがない、ということが一番の問題である。
 (小谷野敦