邦訳はあるぞ

(最初ここに書いておいたのはデュマ父の『93年のドラマ』のことであることが分かったので削除)

 邦訳があるかないかがすぐ分かるようになったのも、NDL−OPACが戦前まで遡った2004年頃以降のことで、それ以前に私はてっきり邦訳はないと思ってキングズレーの『ハイペシア』を明治大学で読んでいて、ふと帝国図書館所蔵書籍大正期の分を見たら、あったから驚いた。
 ヘミングウェイの『老人と海』は福田恆存訳しかないと思っている人がいるようだが、集英社の世界文学全集に野崎孝訳があり(なぜ文庫にしないのだろう)、『ヘミングウェイ釣文学全集』にも別の訳がある。

                                                                                      • -

先日、読者からのはがきで、浅井慎平はモテ男なのに「蒲団」に感動した、と十年くらい前に雑誌に書いてあった、とあったので、浅井の著書を二冊ほど見てみたが発見できなかった。

                                                                                      • -

昔映画が白黒だった頃、女優の目の色は黒以外でも、黒か薄い黒で出ていたから、日本の男もわりあい親しみを覚えやすかったのではないだろうか。

                                                                                        • -

上野千鶴子が『Scripta』で「欲望の三角形」なんて言っているが、そんな、フランスの得体の知れない評論家の40年前の思いつきを未だに本気にしていたら笑われますよーん。

                                                                                        • -

著書訂正
『リアリズムの擁護』
p.19「ドライザーの『アメリカの悲劇』を半ば翻案したと言われている石川達三の『青春の蹉跌』」→「ドライザーの『アメリカの悲劇』に似ていると言われるが佐賀県で実際に起きた事件をもとにした…」