個々人の誠実さの問題

http://d.hatena.ne.jp/destroy-ukkie/20090224#p1
 これを見て、けっと思ったのだがまあ現物を見てから、と田中論文を取り寄せた。最初に、「国文学」はなくなったはずなのに日本史学者は「国文学者」と呼ぶ、とか言っているが、そりゃ雑誌名を変えなきゃ。『国語と国文学』『国語国文』『國文學』『国文学解釈と鑑賞』とかそのままじゃ、他人を非難してもしょうがないだろうに。
 まあそれは本筋の議論ではないとして、国文学者と国史学者の間に「壁」があるとかいうのは、史料の選択がどうとか、そんなに抽象的で高度な議論ではなくて、どちらにも派閥や人脈があって不正直者が多いってだけの話でしょう。つまり「資料」であれ「史料」であれ、それを用いた議論に批判があればすればいいし、また反論すればいいだけの話で、批判に答えずに自説を繰り返したり、他人の議論を黙殺したりする人たちが大勢いるってだけの、個々人の誠実さの問題でしかないと思うぞ。淀君論争では、ウィキペディアにすら田中の誤りが書き込まれているのに決して認めない田中が、こういうことを言ってもなあ。
 田中貴子は『日本文学』には「古典文学『棒鱈化計画』」なんてものを書いているが、計画するのが好きな人だなあ。
(付記)最初にリンクした人は、脱構築とかいうのを学問だと思っているらしい。近世文学はそういうインチキに惑わされない世界だったのだが、残念だ。

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元敷島が小野川から谷川に名跡変更。これは・・・皇司が引退するのかな。

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毎日新聞中島岳志対談が最終回で、相手が佐藤優というのが笑える。きっと対談前には小林よしのりの悪口でも言っていたのだろう。しかし牛村さんがいつの間にか反小林になっている。なんでかなあ。