大学

「グローヴァル」などと題名に書いてしまった清水義和という人は愛知学院大学教授、東海大学卒、立正大学大学院というあれな学歴の人だが、「日本英語音声学会賞」というのを受賞している。で、この学会がどういう学会かというと、 http://www.cc.kochi-u.ac…

『源氏物語』を全部読むかどうか、というのと、『今昔物語』を全部読むかどうか、というのは別の問題である。とにかく、天竺・震旦・本朝部とあって、仏法部・世俗部に分かれていて、岩波古典文学大系では全五巻、「長い」というより「多い」し、岩波文庫で…

アバンタイトルというものがある。あるのは知っていても名称を知らない人が多いようで、私も最近まで知らなかった。 しかし見ての通り、英仏混成の和製西洋語である。しかし検索しても、フランスで使われている様子もない。外国では何と言っているのだろう。…

ポーランド文学者・工藤幸雄(1925−2008)の『ぼくの翻訳人生』(中公新書)を読んでいたら、不思議でおもしろい一節に出くわした。工藤は1967年、ユーゴスラヴィア(セルビア)のイヴォ・アンドリッチの『呪われた庭』を重訳した。すると1972年の『ノーベル…

いったいどこから発生したのか、少なくとも最近では小泉に騙された「民営化すればよくなる幻想」である。映画「まぼろしの邪馬台国」にあわせた吉永小百合切手シートを買おうとしたら、映画鑑賞券とポスターとセットで5500円でしか売らないという。映画なぞ…

ああ、かわいそうなアカハラ・・・。何の罪もない小鳥なのに、いつの間にかその名は別の意味を持ってしまって・・・。 アカハラの時効三年というのは、裁判にした時の損害賠償請求の判例の話だろう。大学へ訴えるにおいては時効はない。第一、大学で「アカハラの訴…

『年譜年表総索引』(日外アソシエーツ、1998)を入手した。最近、人物の年譜を探すのにわりあい手間取っているからである。もっとも、十年前のものだし、その後講談社文芸文庫が精力的に年譜をつけてくれているから、どの程度役立つかは疑問だ。 ところでこ…

田中純氏が、麻生建についての私の記述に異義を申し立てている。 http://news.before-and-afterimages.jp/C1884801429/E20081205110412/index.html 学者といえば、ヨコタ村上孝之のごとく、逃げ回るのが普通だと思っていたので、率直に思うところを書かれた…

言論を裏から手を回して弾圧する、といえば佐藤優だが、丸山眞男もそういうことをしたことが、羽入『学問とは何か』で分かる。 かつて梶山力が訳した「プロ倫」を、梶山が32歳で死んだあと、大塚久雄が手を入れて共訳で岩波文庫から出し、のちに大塚が梶山の…

羽入辰郎と市野川容孝

羽入辰郎の『学問とは何か』(ミネルヴァ書房)という大著は、先の『マックス・ヴェーバーの犯罪』に対する折原浩一派の執拗でかつヴェーバー教に凝り固まった攻撃への反論の書である。実に分厚い。 その中に、本論とはとりあえず無関係なエピソードとして、…

奥野正男『神々の汚れた手』(梓出版、2004)は、東北の遺跡捏造事件で悪いのは藤村新一一人ではない、と周囲の学者連や文化庁を批判したもので、毎日出版文化賞を受賞している。そのあとがきに、こうある。「だからこの本は、去年から年金生活に入った私の…

「マックス・ヴェーバー論争」について以前ここに書いた文章を、まとめを行っている北大の橋本努氏に送ったところ、掲載されました。 http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/Japanese%20Index%20Max%20Weber%20Debate.htm さて、久しぶりに新潟大学の三浦…