2020-07-26から1日間の記事一覧

書評・大島真寿美『渦 魂結び 妹背山婦女庭訓』 週刊読書人

岡本綺堂に「近松半二の死」という短編戯曲がある。歌舞伎の隆盛により衰退する人形浄瑠璃を憂え、「伊賀越道中双六」を未完のまま死んでいく近世中期の浄瑠璃作者・半二を描いたもので、私はこれに「トゥーランドット」を未完のまま死ぬプッチーニを重ねた…