2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ロシヤ文学者の工藤精一郎が死去していたことを、文藝家協会のニューズレターで知った。どこも報道しないんだもんなあ。というか、マスコミには知らされなかったのかな。結構たくさん翻訳していたのだが、アーメン。(なぜかわしがこれを書いた後で報道され…

誤用の山

うーん、何だったかなあ。昔読んだ、野球だか相撲だか競輪だかのスポーツマンガで、勝った主役が「お前八百長で勝ったんやてなあ」と因縁をつけられるのがあった。ところがこのヤクザ、八百長が何だかよく理解しておらず、主役が「八百長ってのは、負けた方…

小説モデル問題

小林拓矢くんが、小説を書きたいと言っているが、小説モデル問題で、モデルの側に立つ奴らは、「文学の名の下に」とか、「作者は名声を得るが」などと書くことがある。後者は「はあ?」としか言いようがない謬見であって、なに、小説を書いたら必ず名声を得…

「愛煙家」というのは、日国によると、山本笑月の『明治世相百話』(1936、中公文庫版あり)が用例として上がっているが、同書では二箇所でタバコの話題があり、「わが朝煙草の変遷史」では、「もうその頃は巻煙草の種類もいろいろ、若手の愛煙家はその方へ…

三木清の死因その他

http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/ 栗原さんの文章を読んでいて雑感。 東京堂書店では、栗原さんのが上がる前には私のエッセイ集が上がっていたのだが、栗原さんと入れ替わりに消えた。 三木清の人間性については今日出海の「三木清における人間の研究」に詳…

「篤姫」解説

将軍死んだ。で、篤姫が将軍に「愛されていた」とお志賀の方が言うのだが、徳川時代の「愛する」は、目下の者に対して使われる言葉であったから、将軍が御台所を「愛した」はいいのだが、逆はない。またこれは第三者が言う言葉であって、将軍自身が「そなた…

恐るべしウィキメディア財団

『ウィキペディアで何が起こっているのか』がどこでも注文不可能になっていて、どうしたのかと思ったら版元の九天社が倒産したらしい。きっとウィキメディア財団がその闇の力を駆使して倒産させたに違いない。恐るべしウィキメディア財団。(アマゾンで3-5週…

いじめ大人・和田アキ子

いじめ問題に取り組んでいる連中は、まず和田アキ子を批判すべきだよね。「礼儀を知らない新入社員を恫喝する」ってのは大人社会におけるいじめの原型なんだからね。こういう、藝能界におけるいじめ問題に鉾先を向けないいじめ論ってのは信用しないね、私は。

史上最低の芥川賞受賞作

最近でいえば、中村文則と双璧をなす。漢語表現をそのまま使っているほか、変な日本語が散見される。中味にしても、何ら小説である必然性がなく、これなら、ドキュメンタリーかノンフィションを読んだほうがいいだろう。白英露とかいう女の描写も中途半端だ…

逆接助詞「も」のにわかな流行

最近、学生のレポートで二例ほど、逆接の接続助詞「も」が使われているのに出くわした。「ナポレオンはエルバ島を脱出してフランスに上陸、再度皇帝を名乗るも、ワーテルローの戦いに敗れ・・・」の「も」である。『岩波国語辞典』では、後世の文語的表現とあり…

なんとなく、リベラル

『文學界』の東浩紀の新連載「なんとなく、考える」は、私の小説からのパクリか。しかしいったい東浩紀がなんで人気があるらしいのか、よく分からない。『思想地図』で、北田や中島とシンポジウムをやっているのを見て「批判に答えずごまかす人の集まりか」…

パワーポイントって何?

私は、去年の今頃まで「パワーポイント」というのが何だか知らなかった。なんとなくペンライトのようなものを想像していて、「パワーポイントを使って発表」とか聞くと、図表か何かをペンライトで指示しながら発表したのかと思っていた。しかし、今では消え…

大野晋と石光真清

大野晋が死んだ。タミル語起源説では、批判に対してもちゃんと答えようとしていたし、誠実な人ではあるが、信用できないウィキペディアを覗いたら、この人が学界の異端であることが分かっていない人が編集したみたいだった。国語学界での大野晋といえば、一…

スナドリネコさんと夏目漱石

うふ。最近はやりの通俗哲学書の題名みたいだ。 『ぼのぼの』のスナドリネコさんはかっこいいが、要するにヤクザもんのかっこよさだ。そのスナドリネコさんは、ぼのぼのが困っていると、「困るのはかならず終わるんだよ」と言う。私はてっきり、生物は必ず死…

やばいぞ「篤姫」

やばいね。一時は「もう観ない」と宣言した「篤姫」だが、このところ、いけない。日曜になると「さあ今日は「篤姫」だ」と朝からそわそわ。来週は視聴率30%超えるね。(後記:超えなかった) 何といっても、「実は賢君」だというフィクションの将軍がまず…

笙野頼子に内容証明を送って謝罪を要求したのは一ヶ月ほど前のことだ。そしたら回答期限ぎりぎりに速達で返事が来た。しかも三人もの代理人弁護士の名前で。私は個人名で出したのにね。ちなみにその三人は、東京21法律事務所の岡田宰、広津佳子、杉本博哉。…

マサシについて

二月五日受理の訴状で株式会社はてなに対し、情報開示および損害賠償請求の訴を起こし、裁判所の和解勧告に従って七月三日、和解が成立、情報開示を受けた。 一昨年、マサシによる罵詈雑言を受けた後、私は当該箇所をプリントアウトして高井戸警察に行った。…

吉原真里を見直す

ハワイ大学の教授・吉原真里の新刊『ドット・コム・ラヴァーズ』(中公新書)が出たので、さっそく購入して、吉原を見直した。 非婚化・晩婚化が進む現代において、ネットお見合いやネット恋愛はもっと奨励されるべきだと私は思っているが、世間は依然として…

いじめっ子だった保坂和志

保坂和志の『書きあぐねている人のための小説入門』というのは、 (活字化のため削除) 保坂は最初のほうで、いじめられっ子のような人間こそ小説を書くべきだが、自分などはそれどころかいじめっ子だった、と書いている。私は保坂の小説に感心したことがな…

前奏が好き伴奏が好き

戦争中から戦後にかけての日本を扱った映画やドラマやドキュメンタリーで、戦争が終るとバカの一つ覚えのように「リンゴの唄」が流れる。説明がつくと「明るい唄が人々を勇気づけ」と言うのだが、あの歌は短調だし別に明るくないだろうというのは前に書いた…

西村伊作伝

黒川創が『考える人』で西村伊作伝の連載を始めた。私の友人の加藤百合さんは、修士論文が伊作伝で『大正の夢の設計家』(朝日選書)として出ており、その後田中修司という人が東大で『西村伊作の楽しき住家』(はる書房)で工学博士号をとっている。この人…

金井美恵子先生!

『一冊の本』の金井美恵子先生の連載が、前号から二号続けて休載になっている。体調が悪いのではないかと心配だ。 - 本日、タスポの使い初め。ごく簡単に機能した。これで八月になれば、11時で自動販売機が停止し、「ああ11時が来る!」と自販機へ走る必要も…

民事と刑事

本にも書いたことがあるのだが、民事訴訟と刑事訴訟はまったく異なるものだ。民事訴訟は、起こす気になれば、誰でも、誰に対しても起こすことができる。検察がとりあげなければ裁判にならない刑事事件とは違う。「告訴」といえば刑事事件のことで、民事であ…